【参考2】ハチソン効果のトリック検証諸説
ハチソン効果を陳腐な特撮であるとする懐疑論者の批判は当然多く、その手法を暴くものとして、次のような仮説がある。しかしいずれの方法も、あるひとつの現象を撮影することは可能でありながら、映像に映し出された現象すべてを説明するものではない。したがって、もしトリックであるとした場合、一種類のトリックだけで撮影されたものでないことだけはおそらく確かである。
A . 逆さまカメラ説 =実際には物体を天井から落下させ、それを逆さまにしたカメラで撮影し、浮上しているように見せかけたという方法(つまり実際には物体は浮上でなく落下している)。しかし、その後公開された別のビデオでは、飲み物が半分程度入ったままのグラスや、ボトルが、”中の水がこぼれることなしに”浮上している映像が撮影されており、これらの仮説だけでは説明は難しい。また物体の落下速度が一定でなく、単に逆さまにしただけでは撮影の難しいものがある(アイロンや、回転しながら落下する皿など)。これを補う仮説としてはテーブル回転説=つまりカメラを逆さまにした上、物体が置かれた土台を高速で回転させ、遠心力を使って落下のタイミングを調整する方法などがあげられたが、一部はそれで説明可能にせよ、すべてをその方法で撮影することはおそらく不可能である。
B . 箱型セット落下説 =まず箱の中に「実験室風」のセットを作り、その中に(皿などの)物体を設置、そして箱の外縁にカメラを固定し、箱を床に向けて落とすという方法(つまり物体が浮くのではなく、その土台たるセットが落ちるということ)。この場合、確かにAによって解決されない、水を入れたコップを中の水を入れたまま”浮かせる”ことはおそらく可能である。しかしまたこれでもなお、例えばアイスクリームの中身だけが渦を巻くようにして舞い上がっていく映像や、金属と木片が融合する映像などを説明しうるものではない。
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