青木メジャーへヤク進…球団もおおむね容認の姿勢
ポスティング“承認”へ…岩村と同じ手法使い
もはや歯止めは利かない-。今オフの米メジャーへのポスティング移籍では松坂、岩村、井川と超高額マネーで野球ファンの度肝を抜いたが、大騒動再び!? 2年連続最多安打男のヤクルト・青木が25日、東京・新橋の球団事務所で契約交渉に臨んだ。その席でポスティングによる将来的なメジャー挑戦の意思をブチ上げた。ヤクルト側もおおむね容認の姿勢で、近い将来、「メジャーリーガー・青木」の誕生が見えてきた。
この日の交渉では7200万円増の1億4000万円の球団提示を保留した青木。だが今回に限っては、金銭よりも大切なモノがあった。
「金銭面の話というより野球人生の話を聞いてもらいました。何年か後にメジャーに行きたいと意思を伝えました」。約2時間半に渡った交渉後、開口一番で切り出した挑戦の弁だ。
「球団からは何年後とか確約的なモノはなかった。ボクも大学時代から育ってきた神宮、ヤクルトに愛着がある。まだヤクルトでやりたいし、キャリアプランを伝えたということです」と力説。が、青木のメジャー挑戦へのホンキ度は高い。
この日の交渉では、代理人の中川紘平弁護士を同席。球団サイドの「夢を持ち続けることはいいこと。高いレベルに向かっていくことは悪いことじゃない」(多菊球団社長)という返答を明文化し、2、3年後のポスティング“承認”へのたたき台にすることに成功した。実はこれ、すでにデビルレイズ移籍が決まった先輩・岩村が取った手法で、青木はその第1歩を踏んだ形だ。
約60億円にまで落札金が達したレッドソックス・松坂を始め、デビルレイズ・岩村が約5億円、ヤンキース・井川が約29億円と、今オフのポスティング市場は大活況。“メジャー予備軍”も、「先輩たちの後に続け」と色めき立つのは致し方ない状況だ。
ヤクルトのスタンスはこうだ。もともと、石井一、石井弘そして岩村とポスティングでのメジャー挑戦には寛容な姿勢で、「高い価値のある選手を(米国に)売るのはビジネスの1つの形」というのが多菊球団社長の持論。さらに、「いい成績を何年も続けなければいけない。そうでなければ(米国に)高く売れないし買い手がつかない」(同社長)という哲学を持っている。
主力選手の相次ぐ流出は、決してマイナス面ばかりではない。多額の入札金が入るのはもちろん、「将来的にはメジャー」という青雲の志を持つドラフト候補生たちに「ヤクルトはメジャーに行ける球団」というイメージを持たせることができる。ならば、“メジャーリーガー養成所”として割り切るのも、球団経営の1つのあり方かもしれない。
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